マンション清掃ってどんな感じ? 清掃の種類やそれぞれの違い、業者に頼むメリットを解説

マンションの資産価値を維持するには、目に見える部分を清潔にし、美観や衛生を保つのが大切です。オーナー自身が清掃を行うこともできますが、日常清掃だけでなく、定期清掃や巡回清掃なども行わなければならないため、必要に応じて業者を利用することをおすすめします。
本記事では、マンション清掃の主な種類やそれぞれの特徴、選び方のポイント、清掃を怠るリスク、清掃を業者に任せるメリットについて解説します。マンション清掃の費用を抑えるコツや、よくある質問もまとめているため参考にしましょう。
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マンション清掃ってどんな感じ? 必要性や主な業務内容を紹介
初めてマンションのオーナーになった方は「マンション清掃ってどんな感じ?」と疑問を持つ方も少なくないでしょう。
マンション清掃とは、その名の通り、マンション全体を清掃する業務のことです。マンションのエントランスや廊下、階段、エレベーター、駐車場、ごみ捨て場といった共用部分を清掃し、清潔な状態を保つことを目的としています。
業務内容は後述する清掃の種類によって異なりますが、モップや雑巾、掃除機などを用いた日常的な清掃から、足場、高圧洗浄機、ポリッシャーといった専用の道具を使う清掃まで多岐にわたります。また屋内だけでなく、敷地内の駐車場や植え込み部分に生えた雑草や、近くの樹木から落ちた葉を掃き掃除したりするのもマンション清掃の一環です。
マンション清掃を怠るとどうなる?
マンション清掃を怠ることで生じるリスクは大きく分けて3つあります。
一つ目は、衛生状態の悪化です。共用部分の清掃を怠ると、入居者が頻繁に利用するエレベーターのボタンや階段の手すりなどに細菌や雑菌が繁殖し、感染症が拡大する原因となります。
二つ目は、美観の悪化です。駐車場に雑草が生い茂っていたり、エントランスや通路にごみが落ちていたりするとマンションの美観が損なわれます。すると、入居者が不満を感じて退去する可能性がある他、新しい入居者が寄りつかず、空室リスクが高まる恐れがあります。
三つ目は、火災や事故の発生リスクです。共用スペースにごみが散乱していたり、廊下や階段に泥汚れが付いていたりすると、火災が発生したり入居者が転倒したりするリスクが高くなります。これらのリスクはマンション清掃を定期的に行うことで軽減できるため、オーナーは小まめに清掃を行うのが大切です。
マンション清掃の種類をチェック! 日常清掃・定期清掃・巡回清掃・スポット清掃の特徴と違い
マンション清掃は、大きく分けて日常清掃・定期清掃・巡回清掃・スポット清掃の4つがあります。それぞれ清掃の目的や方法に違いがあるため、種類ごとの特徴や違いを理解しておきましょう。
日常清掃
日常清掃とは、その名の通り、日頃から使用する場所を日常的にお手入れすることです。マンションの中でも特に使用頻度の高い部分、例えばエントランスや廊下、階段、エレベーターなどの床面、壁面を清掃したり、メールボックスなどの上を清掃したりします。
また敷地内に生えている雑草を抜いたり、落ちているごみなどを拾ったりするのも日常清掃の範囲です。後述する定期清掃に比べると簡易的な作業が多いですが、清掃の範囲が広いことから、かなりの手間と時間がかかります。
定期清掃
定期清掃とは、日常清掃だけでは落とし切れない汚れや、特別な機材がなければ手が届きにくい部分を清掃することです。例えば、共用部にあるエアコンや換気扇、エントランスの窓ガラスや吹き抜けにある照明、カーペットの清掃がこれに該当します。
また外壁や屋上、シャッターを高圧洗浄したりするのも定期清掃の一種です。これらの清掃は、必要に応じて足場を組んだり、高圧洗浄機を使用したり、特殊な洗剤や道具を用いたりする必要があるため、大がかりな作業になります。1~4カ月ごとなど、マンションごとにその頻度は決められています。専門的な知識も必要になることから、定期清掃はプロの業者に依頼するのが一般的です。
巡回清掃
巡回清掃とは、週あるいは月に数回、決まった回数だけ巡回して清掃する方法です。
内容は日常清掃とほぼ同じで、目に入る部分や汚れやすい部分を中心に清掃を行います。
清掃頻度は業者によりますが、多くの場合は任意で調整可能で、月に1~4回行うパターンもあれば、季節の変わり目に清掃するケースもあります。
スポット清掃
スポット清掃とは、清掃する場所やタイミングを都度指定して行う清掃のことです。
例えば、エアコンの分解洗浄をしてほしい、エントランスの窓ガラスを清掃したいなど、必要なときに必要な場所だけ清掃してもらえます。ただし、スポット清掃に対応していない業者もあるため注意が必要です。
日常清掃・定期清掃・巡回清掃・スポット清掃の選び方
ここまでマンション清掃の主な種類を4つ紹介してきましたが、このうち日常清掃と定期清掃はマンションの美観・衛生を保つために不可欠です。基本的には、日常清掃を毎日行いつつ、数カ月ごとに定期清掃を行うことで、マンション全体の美観や衛生を保てます。
巡回清掃は日常清掃のバリエーションの一種であり、オーナーだけでは日常清掃の手が回らない場合に利用します。一方、スポット清掃は気になるところを重点的に清掃してもらいたいときに便利なサービスです。清掃してもらいたいところをピンポイントで依頼できるのが特徴ですが、定期清掃と同じ頻度で利用するとかえって費用が高くなるため、特別な理由がなければ定期清掃を利用した方が良いでしょう。
マンション清掃をプロに任せるメリット
マンション清掃はオーナー自身が行うこともできますが、専門業者に依頼する方がより多くのメリットを期待できます。ここでは、マンション清掃をプロの業者に任せるメリットを3つ紹介します。
管理の手間を省ける
マンション清掃の頻度は、マンションの規模や築年数、入居率などによって異なりますが、日常清掃は少なくとも週に1回以上行わなければ、建物や敷地内の衛生や美観を維持できません。ただ、広い共用部分をオーナーが一人で清掃するのは簡単なことではなく、手間と時間がかかります。その点、業者に依頼すれば、清掃の全てを一任できるため、オーナー自身の管理の手間を大幅に軽減できるでしょう。
危険な作業を任せられる
吹き抜けのあるエントランスの照明や窓ガラスなどを清掃するには、高所での作業が必要です。はしごや脚立を用いた作業は危険性が高く、場合によっては転倒・転落などの事故を起こして大けがを負う可能性もあります。業者に依頼すれば、技術と経験を持つプロが堅固な足場を使用して作業を行うため、安心して清掃を任せることができます。
セルフケアでは落とせない汚れも除去できる
オーナー自身が清掃する場合、市販の道具や洗剤を使用するのが一般的です。ただ、市販品は家庭でも使えるよう、刺激を抑えた作りになっているため、頑固な汚れを落とせない場合があります。一方、プロの業者は業務用の道具や洗剤を用いて作業するため、市販品を使用するよりも効率が良く、頑固な汚れも短時間で落とせます。
マンション清掃の相場と費用を抑えるコツ
マンション清掃を業者に委託することにはさまざまなメリットがありますが、一方で費用がかかる問題があります。マンション清掃にかかる費用は、清掃する面積や作業の内容、作業員の数などによって異なりますが、週1回の日常清掃なら2万円~5万円程度、定期清掃なら月1回につき2万円~10万円程度が相場とされています。
相場はあくまで目安なため、詳しい費用が知りたい場合は業者に問い合わせ、詳細な見積もりを作成してもらいましょう。なるべくコストを抑えてマンション清掃を依頼したい場合は、以下のような工夫を取り入れてみるのがおすすめです。
できるところは自分でやる
マンション清掃の費用は、委託する業務が多いほど高くなるため、ある程度オーナー自身で清掃すれば費用の節約になります。ただ、日常清掃は頻繁に、かつ継続的に行う必要があるため、たとえ簡単な清掃でもオーナー一人で行うのは容易なことではありません。
特にオーナーの自宅と物件の距離が離れている場合、往き来するだけでも手間と交通費がかかります。さらに労力や手間もかかると考えると、最初から全て業者に一任した方が良いケースもあるため、依頼した場合と依頼しなかった場合、それぞれの費用対効果を比較してみることをおすすめします。
複数の業者に相見積もりを取る
マンション清掃を請け負っている業者は複数あり、それぞれ料金体系やサービス内容に違いがあります。同じ業務を頼んでも、業者によって料金が変わることがよくあるため、少しでもコストを抑えたいのなら複数の業者に相見積もりを取り、費用の安いところを選ぶと良いでしょう。
ただ、費用だけを重視して業者を選ぶと、サービス面や対応に不満を感じる可能性があります。いくらコストを安く抑えられても、肝心のサービスに満足できなければ意味がないため、料金だけでなく、業者の経験や強み、サービス内容、アフターフォローなどを比較し、信頼できる優良な業者に依頼するのが大切です。
マンション清掃に関するよくある質問
マンション清掃に関して、よくある疑問・質問をQ&A形式でまとめました。
Q1. マンション清掃業者との契約期間は?
A. 業者によりますが、一年契約としているところが多いようです。
都度依頼するスポット清掃を除き、日常清掃や定期清掃、巡回清掃は一年契約を基本としているところが多いようです。なお、年間契約が切れる際、特に申し出がない場合は自動更新になる場合もあります。
一年だけお試しで利用したい、他の業者に切り替えたいなどの希望がある場合は、契約が更新される前に業者に申し出ましょう。
Q2. マンション清掃は義務?
A. 共益費を徴収している場合は義務になります。
マンション清掃に法的な義務はありませんが、物件を維持管理する名目で入居者から共益費を徴収している場合、オーナーは管理の一環として清掃を行う義務があります。共益費を徴収しているにもかかわらず、清掃を怠った場合は入居者からクレームが来る可能性もあるため注意しましょう。
なお、国土交通省ではマンションの資産価値をできる限り保全し、快適な居住環境を確保するためには日常または定期的に建物や設備、外構の清掃を行うのが基本として必要であると言及しています(※)。
※参考:国土交通省.「マンション管理標準指針コメント」p3.https://www.mlit.go.jp/common/001080793.pdf ,(参照2025-02-17).
マンションは定期的に清掃し、資産価値を守ろう
マンションの定期的な清掃は物件の資産価値を守ることや、入居者の快適性を確保することにつながります。エントランスや廊下など目に見える部分を日常的に清掃しつつ、年に数回は手が届きにくい場所も清掃し、衛生や美観を維持するようにしましょう。
ただ、広いマンション敷地内をオーナーが小まめに清掃するのはかなりの手間と時間がかかる上、場所によっては危険を伴います。危険を避けて効率よく清掃したいのなら、プロの業者に依頼して定期的にお手入れしてもらうことをおすすめします。