マンションの定期清掃とは? 清掃内容や適切な頻度、必要性を解説

マンションの共用部は、日常的に清掃していても汚れが少しずつ蓄積されていきます。そのため、「毎日きちんと掃除しているはずなのに、床の黒ずみが気になる」「エントランスの見栄えが悪くなってきた」など、マンションのオーナーや管理会社の方々が抱える悩みは多いでしょう。
そこで重要となるのが定期清掃です。専門的な機械と技術を用いた定期清掃によって、日常清掃では落とし切れない汚れを取り除けます。また定期的なメンテナンスは建物の美観維持にもつながり、入居者の満足度向上にも効果的です。
本記事では、マンションの定期清掃の具体的な内容や適切な頻度、必要性について詳しく解説します。加えて、清掃業者選びのポイントも紹介します。定期清掃の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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マンションの定期清掃とは?
マンションの清掃には、日常清掃と定期清掃があります。廊下や階段、ごみ置き場、駐車場・駐輪場などの掃除を行う日常清掃に対して、日常清掃で落とし切れない汚れや手の届きにくい場所の汚れを落とすことを目的とするのが定期清掃です。
共用部や建物を清潔に保ち、美観を維持するためには、日常清掃だけではなく定期清掃も実施する必要があります。
定期清掃では、専用の機械を使って落ちにくい汚れや黒ずみをきれいに取り除くことが可能です。
マンションの定期清掃の内容
マンションの定期清掃で行う清掃内容は、一般的に以下の通りです。
床の清掃
床の清掃は、マンションの定期清掃の中でも大がかりなものの一つです。
ほうきやモップを使用する日常清掃に対して、マンションの定期清掃では洗浄に特化した機械を使用するのが特徴です。具体的には、強力に汚れを落とせるポリッシャーや高圧洗浄機を使用して、廊下や階段、エントランスなどを清掃します。清掃後は必要に応じて、ワックスがけを行うことも多いです。
以下、床の清掃の主な方法について詳しく紹介します。
ポリッシャーを用いた床の清掃
ポリッシャーは、ブラシやパットが高速で回転し、床の洗浄や床磨きを行う機械です。力を入れなくても素早く効率的に床の清掃ができます。
ブラシの上部にタンクが付いているタイプのポリッシャーの場合は、洗浄液を散布しながら床を磨くことが可能です。ポリッシャーで床を磨いた後は、汚水を回収して水拭きし乾燥させます。なお、ポリッシャーと剥離剤を併用すれば、古いワックスの剥離も可能です。
床の清掃で使用するポリッシャーの多くは電動です。電動タイプは長時間清掃しやすい反面、電源が取れない場所では使用できません。定期清掃で床の清掃を行う業者は、建物に合わせてポリッシャーの大きさやタイプを使い分けているケースが多いです。
高圧洗浄機を用いた床の清掃
高圧洗浄機は、強力な水圧によって日常清掃では落ちないこびりついた汚れを落とす機械です。高圧で水を吹き付けて清掃するため、多くの場合は洗剤が不要ですが、一部の頑固な汚れには洗剤が必要となる場合があります。
高圧洗浄機は、ポリッシャーのブラシが届きにくい場所やタイルの溝、外壁などの汚れも落とせます。また長いホースをつなげることで清掃範囲を広げられる点も特徴です。ただし、高圧洗浄機を用いた床の清掃には水栓と排水溝が必須なので、注意しましょう。
床の清掃後のワックス塗布
ポリッシャーや高圧洗浄機などで床を清掃した後は、ワックス塗布を行います。
清掃後のワックス塗布は、床材を保護する上で欠かせない作業です。ワックスを塗布すると、床の表面に透明な保護膜が作られて、汚れや傷から床材を守れます。またワックス塗布によって床の凹凸が埋められ、表面が滑らかになるため、汚れが付きにくくなり、拭き掃除などの日常清掃も楽になるでしょう。
カーペットの清掃
カーペットの清掃は、マンションの定期清掃の中でも重要なものの一つです。共用部のカーペットは日々の使用で汚れが蓄積し、見た目だけでなく衛生面でも問題が生じる場合があります。
日常清掃では取り除けない汚れが付きやすいため、定期清掃を依頼するのがおすすめです。
照明器具の清掃
照明器具は、頻繁に掃除する必要はありませんが、少しずつほこりがたまりやすい場所です。ほこりがたまると明るさが損なわれるため、定期的な清掃が必要です。しかし、照明器具は高い場所にあるため、日常清掃では対応が難しい場合もあります。定期清掃の際に清掃して、明るさを保ちましょう。
窓ガラスの清掃
マンションの窓ガラスの清掃も、建物の美観を維持するために重要です。しかし、窓ガラスは手が届きやすい場所と届きにくい場所があるため、日常清掃の窓拭きだけだときれいな状態を保ちにくいでしょう。
清掃業者による定期清掃を利用すれば、ロープなどを用いて、高所を含めて窓ガラスを清掃できます。
エアコンの清掃
定期清掃には、エアコンの清掃も含まれます。主にフィルターの掃除や本体の拭き掃除、内部の洗浄によってエアコン内部を清潔に保てます。
エアコンの内部は湿気がたまりやすいため、カビの温床になりがちです。定期的に清掃しなければ、カビの胞子などが空気中に飛び散るため、入居者の健康を害する恐れがあります。フィルターの掃除や室外機の点検など、一部のメンテナンスは日常清掃でも行えますが、エアコン内部の掃除が必要な場合や汚れがひどい場合は、清掃業者に依頼するのがおすすめです。
またエアコン内部のカビや汚れを放置すると、冷暖房の効きが悪くなります。エアコン清掃をすれば冷暖房の効きがよくなるため、光熱費の節約にもなるでしょう。定期的なメンテナンスによって、耐用年数の延長も可能です。
マンションの定期清掃の頻度
マンションの定期清掃の頻度は、建物の規模や予算などによって異なります。月に1回行うのが理想的ですが、実際は3カ月~半年に1回程度が多い傾向です。3カ月に1回であれば年に4回、半年に1回であれば年に2回です。専門的な機械を用いて徹底的な清掃を定期的に行えば、建物の美観や耐久性を保ちやすいでしょう。
マンションの定期清掃が必要な理由
マンションは日常清掃だけでなく、定期清掃も行うのが理想的です。マンションの定期清掃が必要な理由としては、以下の3つが挙げられます。
1. 建物の美観を維持するため
一つ目は、建物の美観を維持するためです。
日常清掃では取り除けない汚れが時間とともに蓄積し、マンションの見た目を損なう可能性があります。特に、階段や廊下の床の黒ずみ、外壁やエントランスのコケや変色、ごみ置き場の異臭、駐車場の油汚れなどは、日常清掃では対処が難しいです。
このような頑固な汚れを除去するには、専門的な機材や技術が必要です。例えば、床の汚れにはポリッシャーを使用し、外壁には高圧洗浄機を活用します。また、窓ガラスや照明器具の清掃、床のワックスがけなども定期清掃の重要な作業です。
このように、定期清掃を年に数回実施すると、マンション全体の美観が大きく改善されます。
2. 建物の耐久性を高めるため
二つ目は、建物の耐久性を高めるためです。
建物は経年劣化や自然環境の影響で徐々に傷みますが、定期清掃を行うことで劣化を予防し、耐久性を維持できます。特に外壁や窓ガラスなどの外部は汚れが付着しやすく、放置すると防水性や耐久性が低下する恐れがあります。定期清掃によってこれらの汚れを早期に除去すれば、建物全体を長持ちさせることが可能です。
また換気扇やエアコンフィルター、給排水設備などの内部設備も定期清掃が必要です。これらが汚れると効率が低下し、故障の原因となる場合があります。さらに、小さな不具合を早期に発見して修繕すれば、大きな故障を防ぎやすくなるため、結果的に費用を抑えることにもつながります。
3. 入居者の満足度向上のため
最後が、入居者の満足度向上のためです。
共用部分が清潔に保たれていると、入居者は「管理が行き届いている」と感じ、安心感と快適さから長く住み続けたいと考えるようになるでしょう。
エントランスや廊下など、入居者が毎日利用する共用スペースの清掃は特に重要です。ごみやほこりが目立つ状態は、管理が行き届いていない印象を与え、退去の原因にもなりかねません。
定期清掃によって共用部を清潔に保てば、マンションの入居者の満足度が向上するでしょう。また入居率も維持しやすくなると考えられます。
以上のことから、マンションオーナーや管理会社にとって、定期清掃は入居者の満足度に関わる重要な取り組みといえるでしょう。
定期清掃は自社で行うのと清掃業者に依頼するのとでは、どちらが良い?
マンションの定期清掃を自社で行うか、清掃業者に依頼するかで悩む場合もあるでしょう。結論、マンションの定期清掃は、清掃業者への依頼がおすすめです。
定期清掃を自社で行えばコストを抑えられますが、時間や労力がかかります。また定期清掃は蓄積した汚れを徹底的に清掃するため、ポリッシャーなどの専門的な機械が必要です。自社で定期清掃しても、プロのような清掃の機械と技術が伴わなければ、清掃の質が下がるでしょう。
一方、定期清掃を清掃業者に依頼すれば、場所や汚れなどによって適した薬剤・機械を使い分けて、効率良く清掃してもらえます。高所など自分で清掃するのが難しい場所にも対応してもらえます。定期清掃を清掃業者に依頼するとコストはかかりますが、プロの知識とスキルによって、蓄積した汚れが見違えるほどきれいになるでしょう。
月に一度、または数カ月に一度のペースで、専門業者による定期清掃を実施することで、マンションの管理が行き届いている印象を与え、入居者の方々の満足度を高めることができます。
定期清掃業者を選ぶ際のポイント
定期清掃はポリッシャーや高圧洗浄機などの機械を使用するため、清掃業者に依頼するのが一般的です。しかし、清掃業者をどのように選べば良いか迷う方も多いでしょう。
定期清掃の業者を選ぶ際のポイントを6つ紹介します。
1. 見積金額は適正か
定期清掃は数カ月に1回の頻度で依頼するため、見積金額が適正であるかをチェックする必要があります。そのため、1社だけに見積もりを依頼するのではなく、相見積もりを取ると良いでしょう。
複数の清掃業者から見積もりを取れば、サービス内容に見合った相場を把握できます。後のトラブルを避けるためにも、相場よりも高過ぎる業者はもちろん、安過ぎる業者は避けた方が無難です。
また見積もりの詳細が出されていない場合、何にいくらかかるかが分かりません。予期せぬ追加料金を請求されて戸惑うことがないよう、見積もり内容についてしっかりと説明を受けましょう。
なお、マンションの清掃料金は、建物の規模やサービス内容によっても異なります。金額だけでなく、サービス内容についても細かく確認するのが大切です。
2. マンションの定期清掃の実績は豊富か
定期清掃を依頼するときは、マンションの定期清掃の実績が豊富な業者に依頼しましょう。特に、同じような規模のマンションで定期清掃の実績が豊富にあれば、技術力を測るための判断材料となります。
ただし、実績の確認だけでなく、オーナーへの報告業務の有無、第三者による巡回チェックの実施、適切な作業回数の提案なども重要な選定ポイントです。また、業者の専門知識の有無もチェックしておきましょう。
3. サービス内容は豊富か
定期清掃として提供されるサービスの範囲は、清掃業者によって異なります。サービス内容を確認し、依頼したい内容に対応しているかを確認しましょう。
例えば、定期的にエアコンの清掃を依頼したい場合でも、業者によっては対応していないことがあります。定期清掃の範囲にエアコン清掃が含まれている業者を選べば、必要なサービスをまとめて依頼できて便利です。
床や窓の清掃など、各業者が提供する定期清掃サービスの内容を比較検討し、自社に合う業者を選ぶことをおすすめします。
4. 要望に合わせて柔軟に対応してくれるか
定期清掃を依頼する業者を選ぶときは、自社の要望に合わせて、柔軟に対応してくれるかどうかも確認しておきましょう。清掃頻度やサービス内容、曜日や時間など、細かな要望に対応してくれる業者を選べば、ニーズに合ったサービスを受けやすいです。
5. スタッフへの教育は徹底されているか
清掃スタッフの技術力やマナーに関する教育が十分に行われているかどうかも、業者選びにおいて重要なポイントです。
定期清掃では専門的な機械を使用するため、日常清掃よりも高い技術が求められます。また清掃スタッフの態度が悪い場合、入居者からの苦情につながる恐れがあります。技術力はもちろん、マナーの教育も徹底されている業者を選びましょう。
清掃業者によってスタッフ教育の内容や頻度は異なります。例えば、入社時研修でビジネスマナーを学んだり、OJTで先輩スタッフから指導を受けたりする場合があります。清潔感のある身だしなみ、丁寧な言葉遣いなどを学ぶケースもあるようです。
スタッフのマナー研修を行っているような業者は、技術力の向上にも取り組んでいる可能性が高いです。スタッフの教育に力を入れている清掃業者を選ぶことで、質の高いサービスを期待できるでしょう。
6. 損害賠償保険に加入しているか
清掃業者が損害賠償保険に加入しているかどうかを、契約前に確認しておくことも大切です。
マンションの定期清掃の際は、設備の破損などのトラブルが発生するかもしれません。清掃会社が損害賠償保険に加入していれば、トラブルが起こったときも保険で対応してもらえます。
万が一に備えて、損害賠償保険に加入している清掃会社を選びましょう。
マンションの定期清掃は清掃業者に依頼するのがおすすめ
マンションの定期清掃では、ポリッシャーや高圧洗浄機などの機械を使用して、日常清掃では落とし切れない汚れを徹底的に取り除きます。機械の使用には専門知識が必要となるため、コストはかかっても清掃業者に依頼した方がマンションの美観を維持しやすいでしょう。
定期清掃の清掃業者を選ぶときは、最初から1社に絞らず、複数社から見積もりを取って、作業内容に見合う適正な料金の業者を選びましょう。マンションの定期清掃の実績やスタッフの教育体制、保険の加入状況などもチェックしておくことをおすすめします。
株式会社アーネストは、マンションを含むさまざまな建物の定期清掃を手掛けています。また、作業内容は要望に応じて柔軟にカスタマイズすることが可能です。マンションの定期清掃を検討中の方は、ぜひお問い合わせください。